博多ニワカそうす誕生秘話

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(前編「タケシゲ醬油の歴史〜ルーツは江戸時代」はこちら)

ある日のこと
タケシゲ醤油に「タレをください」と一人のお客様が訪ねて来られました。
この商品は五福醤油時代から水産加工用の業者向けのタレとして毎月決められた所にだけ卸している、
言うなれば一般の方は知るはずもない商品でしたので、とても驚きました。

思わず私の方から「このタレは何に使っていらっしゃるんですか?」
と質問してしまいました。

すると「姑が朝から晩までこれ1本で何でも作るから、ないと困ると買いに行きたんです」との返事。
遠路はるばるこの店を探し出すのに3日もかかったそうで、
タレを前にして「手に入れた。良かった〜」と感激していらっしゃいました。
その時は、こんな甘い醤油を普段の料理に使われるなんて相当な甘党な方なんだろうな、
とこの出来事をやり過ごしていました。
 

また別のお客様が!
ところがそれから、何日も経たずにまたしても同じように
「タレをください」と別のお客様が訪ねて来られたのです。
どうやら、ちょうどその時期にタレを50年も前から卸していた水産加工会社がなくなってしまったのですが、
そこにお勤めの従業員さんたちは長い間このタレをご家庭に持ち帰り「魔法のタレ」として使っていたそうなのです。

やむを得ない事情とはいえ長年このタレでしか料理をしたことがないので、
タレがないとどうやって料理を作ればいいのかと本当に困ってしまい、
販売元である当社を必死に探されたそうです。

一体どんな料理ができるのだろうと興味を持った私は、
「おススメのレシピがあったら教えてください。」と聞いてみました。
その方は「何を作っても失敗することがないし、本当においしいんですよ!
ハンバーグもおいしいし、煮魚も、酢豚も。あっそうだ!
とにかく生姜焼きを作ってみてください。そしたらこのタレの凄さがわかります!」と教えてくださいました。


衝撃の生姜焼き
その晩、仕事帰りに豚肉を買い「この甘いタレを折角のお肉にかけるのか……」
と半信半疑ながら生姜焼きを試してみることにしました。
教えていただいた手順は次のとおり

漬け込みは不要。
そのまま豚肉を焼き、火を止めた後にタレをかけて、
最後におろし生姜を入れる。

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確かにあっという間においしそうな生姜焼きができました。
こんな簡単な方法で本当においしいのだろうか?
甘くて生姜の味がするだけなんじゃないか?

恐る恐る食べてみて…
びっくり!
思わず声が出ました。
まさにプロの味でした。

衝撃を受けたこの感動体験を皆さんにお伝えしたいと思い、
一般家庭向けに「博多ニワカそうす」と命名し販売を始めました。
 

誰にとっても「郷土の味」
徐々に口コミで広がっていき、そこから和洋中を問わず新しいレシピが生まれました。
たくさんの喜びの声を聞かせていただき、さらにたくさんの方に使っていただけるようになってきていますが、
不思議なことに全国の方から郷土料理の味がすると言われます。
それは、この博多ニワカそうすが余計な香辛料などを使っておらず、
全ての料理の土台となるベーシックな味なのだからだと思います。
もっと多くの方に知っていただき、一人でも多く満足してくださるようこれからも努めて参ります。


「ニワカそうす」に興味を持ってくださった方はこちらもご覧ください

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